番外編:扶鸞について

 今回は番外編として、中国版のこっくりさんと呼ばれる「扶鸞」を紹介したいと思います。

 「ふらん」あるいは「ふけい」とも呼ばれる、中国の降霊術を利用した占いのことを扶鸞といいます。

 『けい筆』と呼ばれる、T字もしくはY字型の柳の枝を『沙盤』と呼ばれる砂の盤の上に置き、そこに綴られる文字や記号によって神や霊からのお告げを得るというものです。

 大衆にとって気軽な占いとして明清時代には大流行し、やがては多くの秘密結社が設立されるほどになりました。


 扶鸞は、日本のこっくりさんや、海外のウィジャ盤に良く似ていますが、その歴史は古く、元を辿れば七世紀ごろに生まれた紫姑神(しこしん)の信仰にまで遡ることができるといいます。

 紫姑神とは、中国の便所神で、嫉妬のために正妻によって厠で殺害された聡明な女性が神として崇められたものです。

 ピンときたかたもいるかもしれませんが、トイレに紫色の着物を着た姿が現れるという有名な学校の怪談のルーツでもあります。


 この扶鸞、特に、願いの成就や、病気の回復に適切な助言を与えてくれるため、清や明の時代ほどではないにせよ、現在でも中国や台湾では扶鸞信仰の息吹が息づいているといわれます。