都市伝説:紫の鏡

 90年代に流行した全国的に知名度の高い都市伝説です。


 ある少女が母親から手鏡を譲ってもらった。

 その手鏡を少女は大層気に入り、毎日眺めて暮らしていた。

 しかし、日が経つほどに、彼女の顔にはニキビが出来始め、顔一面がニキビだらけの状態になる。

 年頃だからと周囲の人間は慰めたが、少女はコンプレックスを抱くようになってしまう。

 やがて、お気に入りだったその手鏡を紫色の絵の具で塗り潰してしまった。

 すると、その直後から、顔にできたニキビはさらに悪化する。

 しかも、紫色の汁が一日中零れ落ちるほど、ひどくなってしまう。

 その原因は、鏡を紫色に塗ったせいだと思い、少女は手鏡を処分したが、ただれた顔は良くならない。

 紫の鏡に呪われたと半狂乱になって少女は、結局衰弱して死んでしまった。

 それ以来、少女の怨念が『紫色の鏡』という言葉に乗り移り、20歳以前にこの言葉を覚えたものは、少女と同じように死んでしまうという。


 この都市伝説には様々なバリエーションがあり、若い女性が紫色の鏡を握ったまま火葬され、その呪いが友人にうつり成人式に死ぬ、といったものも存在します。
 どの話にも共通していえることは、成人できずに死亡するという点です。
 20歳というのは、大人になるということであり、成長していた脳が完成を迎えるということです。

 そういった意味でも20歳というのは、区切りの年であるのでしょう。