SNSと都市伝説についての比較考察1
バイラル効果、というのをご存知でしょうか。
一般に、ツイッターやフェイスブック、ミクシーなどで発した情報が、どんどん拡散していく現象のことをいいます。
というよりも、こういったSNSというのは、バイラル効果を起こすためのシステム構築がされている、といっても過言ではりません。
たとえば、Aという発言主がいたとして、ツイッターではそのAの発言が、まずAをフォローしているフォロワーに拡散されます。
そして、そのフォロワーがAの発言をリツイートすることで、またその友達へと広がります。
ご存知でしょうが、もう、この段階で友達の友達へと拡散しているわけなのです。
そのまた友達、そのまた友達という風に、情報がどんどん拡散していくことを、バイラル効果というわけです。
一般に都市伝説の話をするときは、その発言の重みを考えなければなりません。
つまり、この情報を提供する、というリスクを背負うわけですね。
逆に言うと、情報の主となる人は、その都市伝説を紹介することによって受け不利益を受ける、ということもまたしかりなわけです。
しかし、それでも情報を披露することで、「……さんの情報」という、情報の仲介者となるわけですね。
この仲介者というのは「友達」で、それ以前の仲介者が「友達の友達」になるわけです。
ところが、都市伝説の場合、一番初めの原点が、「友達の友達」から始まっています。
つまり、一番最初に情報を提供する人自体が、「友達の友達」からの情報として、喧伝していくわけです。
これは、SNSの基本的な情報拡散の過程と同様で、不特定多数を情報の仲介者とすることができるわけです。
それも、都市伝説に面白みさえあれば、一挙に広めることが可能なわけです。
こうしたバイラル効果は、正しい、正しくない、の情報のえり好みをすることはありません。
ただ、その情報の単価によって、拡散されるか否かが決まるわけです。
そういう意味では、SNSにとって、情報の価値とは、どれだけ情報の単価を高められるかが、ツイートが広まるかどうか、に繋がるわけです。
ある特定の場所(有名人など)にツイートが到達すれば、一挙に拡散するということもあります。
都市伝説との違いというのは、都市伝説が情報の単価で広まる・広まらないを決められるのに対し、ツイートはより恣意的にその単価を操作しやすい、というところにあるのかもしれません。
もっとも、ツイッターの方がより有象無象が多いため、広げるシステムとしては優れていますが、文字制限などで、チェーンメールと同様に扱われてしまうことも多くなるでしょう。