都市伝説:やつはとんでもないものを盗んでいきました。

 これは、東京であったり、海外であったり場所はまちまちですが、有名な都市伝説です。

 ある商社のサラリーマンが、仕事の受注の確認のためにアメリカを訪れた。
 つつがなく契約確認を済ませ、肩の荷が下りたたため、気分が高揚していた。
 バーの片隅で、心地よく酒を飲んでいると、ひとりの女性に声をかけられた。
 女性はとても魅力的だった。 
 すっかり酔った彼は、異国での思い出とばかりに、自分のホテルへと誘った。
 女性は快く了解し、彼のホテルへと戻り、飲みなおしている内に、彼の意識は途切れてしまう。

 次の日の朝、彼はバスタブで目を覚ました。
 バスタブには水が張られており、溶け残った氷が浮いている。
 泥棒だ! と思ったが、何やら身体が重く、だるい。
 バスタブの横には、「目が覚めたら病院へ!」
 と書かれたメモがおいてあった。

 救急車を呼び、病院にたどりついた彼は、背中に手術のあとを見た。
 そこから腎臓がひとつ、抜き取られたことがわかった、というものである。

 
 日本が舞台になる場合は、歌舞伎町など、治安の悪いイメージの町が多いです。
 ちなみに、腎臓の摘出手術は非常に困難で、衛生上の面からでも不可能です。
 しかし、異国や見知らぬ土地では、つつましく過ごすのが賢明だといえるでしょう。