都市伝説;将来の伴侶占い

『午前0時0分0秒に、カミソリを口にくわえ、水をいっぱい入れた洗面器を覗き込むとそこには未来の結婚相手の顔が映る』

 この話を聞いたある女性が、冗談半分に試した所、本当に顔が浮かび驚いて咥えていたカミソリを水中に落としてしまう。

 数年後、その女性はお見合いの末に結婚することとなったのだが、相手の男は顔の左半分をいつも髪で隠して見せてくれない。

「結婚するのだから顔を見せて」という女性に、彼は「昔ある人に酷く傷つけられて見せられない」という。

「誰になんですか?」と問うた女性に男性は「お前だ!」と答えた。


 水鏡という、鏡の一種が非常に重要な役割を果たしている点で、古来からの鏡にまつわる話の現代版ともいえます。

 古来、鏡は未来やあの世を映し出すとされ、予言や予知の道具とされていましたが、その名残なのかもしれません。


 元々奇妙な話ですが、もっとも奇妙な点は、この男性が、女性のことを認識しているという点ではないでしょうか。
 なぜ? そしてどういう風に?
 男性側の視点で説明が描かれれば、『カミソリを落とされた男』の都市伝説として、新たな広まりを見せるかもしれません。