都市伝説:ダイエットカプセル
『たった一粒で簡単激痩ダイエット!』
そのファッション雑誌に掲載されたのは、カプセルを一粒だけのめば、簡単に痩せられるとの広告だった。
雑誌を読むほとんどの人は、何をでまかせをと一蹴し、信じることはなかった。
しかし、今まで色々なダイエットに失敗し、自分の体型に深く思い悩んでいたある少女が、必死の思いでこのカプセルを注文することにした。
「でも、今回もいつもみたいにだめかも……」
数日後、彼女の元に一粒のカプセルが届いた。
『一粒だけで非常に効果は高く、また食事を制限する必要もありません。ただ、カプセルの効果を打ち消してしまいますので、多量の飲酒、刺激の強い食品は控えるようお願いします』
食事制限なし? でも飲酒は駄目?
彼女は非常に胡散臭く思ったが、駄目でもともとと、ダイエットカプセルを飲んだ。
カプセルは、予想と違い、効果抜群だった。
運動もしないのに、食べ物は好きなものだけ食べているのに、順調に体重は落ちていった。
肥満体型だった彼女は、見事な体型を手に入れたのだ。
しかし、新たな問題があった。
やせ始めた頃から腹部に張りを覚えるようになり、痛みを伴うようになって、やせればやせるほど痛みは増した。
やがて、耐え切れなくなり、病院を受診することにした。
彼女のお腹を調べた医師は驚愕した。
腸の蠕動ではなく、何かが蠢いているような気配がしたのだ。
彼女の腸内には、何メートルにも成長した寄生虫が腸にパンパンに詰まっていたのだ。
そう、あのカプセルの中身は寄生虫の卵だったのである。
これが都市伝説、「ダイエットカプセル」です。
とにかく、ダイエットや美という言葉には非常に厳しいのが都市伝説の常なのですが、今回も例に違わず、悲惨なお話です。
寄生虫というと生理的な嫌悪感が先立ちますが、我々の人体が無数の虫によって体調を整えているというのは常識といってもいい話です。
もちろん腸に詰まるほど存在感のある虫はいませんが、上手くこうした虫たちと共存していくのが、ある意味ではまっとうなダイエットといえるのでしょう。
寄生虫ダイエット自体は、そう突飛なことではなく、普通に民間療法としても存在しています。
ただ、健康的なダイエットは、やはり地道な努力によって成り立つものであるというのは、変えられない事実でしょう。
腹の虫が治まらなくとも、地道なダイエットを心がけることが、結局は「いいやせ方」にも繋がるように思います。
かくいう私は、玄米でダイエット(というか健康生活)を試みています。白米のように胸やけもなく、食後も気分がいいです。
ダイエット=適度な健康志向というのが、世間のニーズと合致してほしいものです。