都市伝説:バーコード

 ある中年男性が、コンビニに買い物に来ていた。

 男性の髪はかなりさびしくなっており、側頭部には髪が残っているものの、中頭部にはあまり毛がない。

 いわゆる、バーコードはげの状態になっていた。

 買い物を終えて、レジで清算をしようとした男性は、財布から小銭を落としてしまった。

 あわてて小銭を拾おうと身を乗り出した男性と、レジの店員がもっていたバーコードリーダーが接触してしまう。

 すると、ピッという電子音が響いた。

 男性の商品が、商品のバーコードとして認識されてしまったのだ。

 レジの値段表示には「10円」と映し出された。


 どちらかというと喜劇的な(ある意味では悲劇的な)要素の強い小噺のような都市伝説です。

 この都市伝説にはいくつかパターンがあり、安い金額が表示される、というものや、少し奇妙に年齢が表示される、というものもあります。

 無論こういうことは実際にはありえないのですが、何故か中年男性にはこうした悲哀が似合います。