都市伝説:シリコンが爆発

 アメリカに住むある女性が、豊胸手術を受けた。

 彼女は顔立ちのよい美人だったが、胸が小さくそれがコンプレックスだったのだ。

 手術のあと、担当の医師からは、

「入れたばかりのシリコンが安定するまで、しばらくの間絶対に飛行機には乗らないでください」

 との注意を受けた。


 それから数週間後、大事な出張のため、飛行機にどうしても乗らなくてはいけなくなった。

 まだ医者のOKサインは出ていなかったが、大丈夫だろうと、彼女は医師の忠告を無視して飛行機に乗ることにした。

 
空港でも機内でも美人の上グラマーになった彼女は、人々の視線を一身に集めた。

 飛行機が離陸し、高度がどんどん上がっていくにつれ、彼女の身体に異変が起きた。

 手術をした胸に違和感があり、苦しくなってきたのだ。

 飛行機は、更に高度を上げていく。

 胸の違和感はさらに強まり、ぼこぼこと音を立てて、うごめき出した。

 そして、彼女の胸が大きく膨らんだかと思うと、大きい爆発音とともにはじけた。


 彼女は一命をとりとめたが、バストは手術前よりも小さくなってしまった。

 飛行機の気圧の変化で、胸のシリコンが膨張してしまったのが、原因ということである。



 これが都市伝説、「シリコンが爆発」です。

 シリコンが爆発した、という事件はテレビでも流れたこともあり、結構有名な話で、最近ではシリコンを用いた豊胸手術というのは禁止されています。

 シリコンは人工高分子化合物で、ケイ素を構造に含む樹脂というのが一般的な見解でしょう。

 ほぼ絶縁体ではありますが、強酸には弱いという性質があります。