都市伝説:救われない話

注:このお話はあまりにも救いようがないので、気分を害す恐れがあります。

  理不尽すぎる話が苦手な方は、読まないでください。

(上の注意書きは私の判断であって、都市伝説のフリではありません。ではどうぞ)


 ある幸せだった家庭で起こった、悲劇としかいいようのない、悲惨な話だ。

 この日、母親は洗濯をして、旦那や子どもたちの汚れた服をせっせと干していた。

 離れた部屋では小さい女の子の姉と生まれたばかりの弟が、じゃれあって遊んでいた

 女の子はふと、純粋な疑問を抱いた。

 男の子の股についているものが、なぜ自分にはついていないのだろう。

 そんな考えが浮かび、気になって仕方がなくなった。

 弟は、そんな女の子の意図などお構いなしに、女の子が動かすおもちゃに笑っている。

 気になって気になって、我慢できなくなった女の子は、使い方を教えてもらったばかりのはさみで、弟のおちんちんを一息に切ってしまった。

 突然、火のついたような、激しい泣き声に母親は気づいた。

 慌てて部屋に駆け込み、子どもたちの様子を見て仰天した。

 女の子からもぎとるようにはさみを取り上げると、救急車を呼ぶよりも、自分で運んだ方が早いと判断し、大慌てで男の子を抱きかかえて家を出た。

 車に乗ると、ガレージに先頭から入っていた自動車をバックで急発進させた。

 そのとき、泣きながら家の外まで付いて来ようとした女の子をひいてしまった。

  
 これが都市伝説、救われない話です。

 実はこの都市伝説の原型と思われる話は昔からある話のようで、これも負けず劣らず悲惨な話です。

 この話は、救いようがないですが、救いようがないからこそ、都市伝説として語り継がれているのでしょう。

 一家が突然の最悪に遭う話は他にもありますが、救われなさではかなり上位に入る話だと思います。