都市伝説:よく分かったな
とある霊感体質の少女が交差点で信号待ちをしていたところ、向こう側の人の群れの中に、一種異様な女性が立っていた。
彼女はまるでこの世のものとは思えない雰囲気を漂わせている。
その女性の視線を感じると急に寒気を覚えたので、少女は目を合わせないようにして信号を渡ろうとした。
顔を伏せ、ゆっくり歩いている内に、女性との距離は近づき、そしてすれ違った。
すれ違いざま、女性はこういった。
「見えてるクセに……」と。
「死ねばよかったのに」や「これはこんな顔だったかい?」などで馴染み深い、最後の最後で落ちを持ってくるタイプの都市伝説です。
この都市伝説では、なんとなく、幽霊に人格というか人間っぽさが垣間見られて、幽霊が恐怖的なだけの存在でなくなっていることを示唆しています。
というよりも、どことなく、読者の突込みを幽霊が代わって行ってくれたような、奇妙な爽快感すらあります。